今度のロボットはおじいちゃん!?~映画「ロボジー」~

今度のロボットはおじいちゃん!?
~映画「ロボジー」~

今まで数多くのロボット映画が製作されてきましたが、中に人間が入ったロボットはいなかったのではないかと思います。しかもただの人間ではなくおじいちゃんなのです!そんな前代未聞のロボット映画「ロボジー」についてと、その出演者であるミッキー・カーチス、吉高由里子についてまとめました。

映画「ロボジー」のストーリー~前編~

ロボットと言われて思い浮かべるものはなんですか?ドラえもん、鉄腕アトム、機動戦士ガンダムなどなど、日本には誰もが知っている憧れのロボットが沢山います。最近ではアニメや小説の世界を飛び出して、二足歩行するロボットや楽器演奏をするロボット、会話ができるロボットなどが実際に開発されています。夢に見ていた未来が、すぐそこまでやってきているのですね。もはや出来ないことなどないのではないかと思われるくらい進化しているロボット業界において、あえて二足歩行だけを目的としたロボットが開発されていたらどう思いますか?しかもそのロボットは、開発者の意に反して踊るわ自転車に乗るわ女性に抱き付くわで妙に人間くさい。それもそのはず、ロボットの中には人間のおじいちゃんが入っていたのです!変形もしないし合体もしないし、正義のために戦うなんて絶対にしないけれど、どこか愛嬌があって可愛いロボット「ニュー潮風」と、彼を巡って次々に巻き起こる珍騒動を描いた映画「ロボジー」は、笑って泣けて見終わった後には温かい気持ちになれる映画です。

「ロボジー」とは

映画「ロボジー」は、電器メーカーの技術者が老人にロボットを演じさせてしまうと言う痛快ドタバタコメディです。監督・脚本は「ウォーターボーイズ」や「スイングガールズ」で知られる矢口史靖が担当しました。歌手でありながら「スワロウテイル」や「日輪の遺産」などで俳優としても活動しているミッキー・カーチスが、念願の「五十嵐信次郎」名義での俳優デビューを果たした作品でもあります。キャッチコピーは「変形しない。戦わない。働きもしない。そんなロボットに日本中が恋をした――。」でした。全国278スクリーンで公開され、2012年1月14・15日の初日2日間で興行収入は2億234万100円、観客動員数は16万4694人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第1位となりました。幅広い層から支持を受け、ぴあ初日満足度ランキングでも第1位となっています。最終興行収入は11.6億円でした。

ストーリー前半(ネタバレ)

白物家電を得意分野とする木村電器は、デジタルの波に乗れずに業績はあまりふるわない状態でした。ワンマン社長の木村は、起死回生を狙って今流行りの2足歩行ロボットを開発することを決めます。ロボットの開発を託されたのは、小林、太田、長井の3人組でした。社長は3人に、3か月後に開催されるロボット博までにロボット「ニュー潮風」を作れという無茶な命令を下したのでした。今まで家電製品の開発しかしてこなかった3人は、社長命令に逆らったら首にされると必死でニュー潮風を作り始めます。ロボット博までいよいよあと1週間となったころ、3人は連日連夜の徹夜の疲れからか、大切なPCにコーヒーをこぼしてしまいます。急いで拭き取りますが、その拍子に開発中のニュー潮風を起動してしまい、電源の入ったニュー潮風はゆっくりと歩き出します。呆然とそれを見つめる3人。ニュー潮風は段々とスピードをあげ、そのまま窓に激突。繋がったPCもろとも階下へと落ち、木っ端みじんに壊れてしまったのでした。開発データが入ったPCも壊れてしまい、あと1週間で一から作り直すなど絶対に無理だと悟った3人は、着ぐるみショーと偽って人を募集し、ニュー潮風の中に入って貰おうと画策します。

頑固な爺さん

一方、木村電器の近所には一人暮らしをする老人・鈴木重光が住んでいました。重光が新聞を開くと、ロボットショーのアルバイトのチラシが入っていました。木村電器の3人がロボット博のために作った偽オーディションの案内でした。重光はそれを見るでもなく見て捨て、テレビを見たり縁側で昼寝をしてみたり、いつもの日常を過ごすのでした。重光は妻に先立たれ、孫はゲームに夢中で相手をしてくれず、淋しい毎日を送っていたのでした。気晴らしに老人クラブへと向かう重光。しかしそこでも主役にはなれず、屋上で一人缶ビールを開けるのでした。そんなとき重光の背後から子供たちの嬌声が聞こえてきます。ふらりとそちらへ足を伸ばすと、そこではヒーローショーが行われていました。ヒーローに夢中になる子供たちを見て、これなら自分もちやほやされるかも!と考えた重光は、ロボットショーのオーディションを受けることに。さっそく会場の公民館へと向かうと、そこには若くて健康そうな若者たちばかりが揃っていて、しわしわでよぼよぼの重光は好機の目を向けられるのでした。

オーディション

オーディション会場を取り仕切るのは、もちろん木村電器の3人組です。ニュー潮風の外装に嵌るように、受験者の体を細かく採寸します。面接ではロボットっぽい動きをさせますが、自ら音楽をかけてロボットダンスをしたり、段ボールで作成したトランスフォーマーを披露したりと、中々希望通りの動きをしてくれる人材は現れません。重光に至っては、途中で腰を痛めてしまいリタイアすることに。結局無難な若者1人を選び出した3人は、ほかの受験者を帰らせてさっそく試着させてみることに。目隠しをしてニュー潮風着せますが、なんと選ばれた若者は大変な金属アレルギーだったのです。結局、困りはてた3人は重光に連絡を取るのでした。次の日、気合を入れて背広でビシッと決めた重光を、3人はワゴンに乗せ、目隠しをしてニュー潮風を装着します。練習がしたいと不安がる重光に、3人はそのまま本番に行くことをつげ、無線を装着して音声に従って動けばいいと指示します。

ロボット博

会場についても着ぐるみショーだと信じて疑わない重光は、ステージ袖で待機する別のロボットに話しかけたりしています。そしていよいよ、木村電器の順番が回ってきました。司会者の質問に何とか苦労しながらも答え、ニュー潮風をお披露目します。無線で重光に歩いて手を振るように指示。重光はその通りに従います。これで何とか誤魔化せた、と安心して下がろうとする3人とニュー潮風。すると、会場にいた子供たちが「なんだよ、あれだけかよ」とつぶやきます。それを聞いてしまった重光は、3人の制止を振り切ってあっちの方が面白いと言われた踊るロボットの隣へと行き、自分も踊り始めます。その様子に会場は大盛り上がり。取材に来ていた地元のテレビ局の記者・弥生と、その知り合いでロボットオタクの大学生・葉子も、ニュー潮風に夢中になります。しかし、そんなニュー潮風を一目見ようと大勢の人が大移動。その時、人波に飲まれたイベント用の柱が、葉子に向かって倒れてきます。それに気づいた重光は葉子に駆け寄り、間一髪のところで助けたのでした。命を助けられた葉子は、一瞬でニュー潮風に恋をしてしまいます。一方の重光は、葉子の太ももに目を落とすのでした。やっと騒ぎに気付いた木村電器の3人。これで中に人が入っていることが完全にバレてしまったと冷や汗をかきますが、ステージを去るニュー潮風には会場中から暖かい拍手が送られたのでした。

重光との決別

なんとか大舞台を乗り切った3人は、祝杯をあげます。翌朝、出社すると社長室へ呼び出し。ついにバレたと絶望した3人は、社長室に入るなり頭を下げて平謝りします。しかし社長は怒るどころか上機嫌です。ニュー潮風の昨日の活躍が、テレビや新聞で取り沙汰され、木村電器には取材の依頼が殺到していたのでした。急遽、駅前広場でニュー潮風のお披露目会を行うことを告げられた3人は、ロボット博1回だけだと聞いていたと食い下がります。しかし、社長の笑顔の前に、何も言えなくなってしまうのでした。困った3人は再び重光の元へと足を運びます。しかし重光は、女性を救うロボットがニュースになっているのを見て、インチキの片棒を担がされていたのだと知り大激怒します。木村電器の3人も、元はといえば重光が勝手な行動をしたせいだと反論。さらに怒った重光は、皆に真実をバラしてやると息巻いて3人を追い出したのでした。

再会

頼みの綱だった重光に追い出され、途方に暮れる3人。山間の崖近くの駐車スペースで、ニュー潮風を載せたワゴン車を止めて絶望に浸ります。車を崖下めがけて発進させようと、大きくバックしたところ、パトロール中の白バイに声を掛けられてしまいます。「こんなところで何してるんだ」という問いに上手く答えられずにいると、ワゴンに書かれた「木村電器」の文字に警官が気付きます。彼らがニュー潮風の開発者であることを知った警官は、もうすぐ駅前でイベントがあるはずだと言い出します。仕方なく3人は、道に迷っていたと言い訳。親切な警官が、駅前まで先導してくれることになってしまいました。一方そのころ重光は、いつもの老人クラブへと行き、新聞に乗っているロボットは自分だと主張します。しかし、講師からは「今日が何月何日かわかる?」と聞かれ、仲間たちからも「ついにボケた」と噂されてしまうのでした。誰にも信じてもらえなかった重光は、力なく町を歩きます。そんなとき、ニュー潮風のショーへと走る子供たちに遭遇します。つられて駅前の広場へと向かうと、泣き出しそうな3人組に再会。重光は再びニュー潮風を着て、ステージへと登るのでした。

ニュー潮風ブーム

イベントは大成功し、その後もニュー潮風には次々に出演依頼が舞い込みます。テレビや新聞の取材に、イベントにと大忙しのニュー潮風。重光は他の人には出来ない大役であることをいいことに、わがまま三昧です。地方のイベントでは高級ホテルに宿泊、食事は豪華に、マッサージにルームサービスも頼み放題です。3人は領収書を持って経理に請求しに行きますが、そんな請求が通るはずもなく、イベントをするたびに懐が淋しくなっていきます。しかしニュー潮風の人気は衰えることを知らず、重光は調子にのってアナウンサーとダンスを披露したり、洗濯物の汚れを見分けたり、介護ロボットに対抗したりと、次々と新しい技を繰り出すのでした。ついに資金が底を尽きかけたころ、ニュー潮風に助けられてすっかり彼に恋をしていた葉子から、大学で講演会を開いてくれないかとの依頼が舞い込みます。お礼をするという葉子の言葉に軽い気持ちで大学に赴くと、待っていたのは大きな講堂一杯に入った機械工学科の学生たちでした。質疑応答から始まった講演会。学生たちは「駆動方法は?」「危険察知の認識はどうしているのか」など、専門的な質問を浴びせてきます。困った3人は「いい質問ですね。君はどうしていると思いますか?」と質問に質問で返すという技を使います。3人は学生たちの意見からロボット工学のイロハを吸収しようと必死です。そんな3人に気付くことなく、「自分だったらこうする」と学生たちは惜しげもなく知識を披露してくれます。いつばれるかとひやひやしながらも、講演会は白熱し大成功を収めました。もうコリゴリだと言いながらも、葉子から貰ったギャラの金額を見て3人は、「また声をかけてください」というのでした。